疲労の定義
疲労とは、身体的・精神的活動の結果として、機能やパフォーマンスが一時的に低下し、回復が必要な状態を指します。
一般的な定義
• 日本疲労学会では、疲労を「過度の活動やストレスにより、心身の能力が一時的に低下し、休息を必要とする状態」と定義しています。
• WHO(世界保健機関)は、疲労を「エネルギー不足や過労によって引き起こされる、持続的な身体的・精神的な消耗」と説明。
原因の多様性があり、運動・労働・ストレス・病気など、さまざまな要因が関与します。
タイプ別アプローチ・あなたはどのタイプ?
肉体的疲労に対する鍼治療アプローチ
〈問診・評価〉
「最近、体が重だるく、疲れが抜けにくい感じはありませんか? 特にどの部位に疲労を感じますか?」
患者の生活習慣や疲労の原因(長時間の立ち仕事、スポーツ、デスクワークなど)を確認し、関連する筋肉の緊張や血流の状態を評価します。
〈治療方針〉
「全身の疲労感には、局所の筋緊張を緩和するとともに、血流を促進することが重要です。特に疲れが溜まりやすい首・肩・背中・腰のトリガーポイントに鍼を施し、体の回復力を高めていきます。」
〈施術〉
1. トリガーポイントへのアプローチ
• 疲労が集中しやすい僧帽筋・脊柱起立筋・腰部多裂筋などに鍼を打ち、筋緊張を緩和。
• 必要に応じて認知覚を引き起こしながら、過緊張を解消。
精神的・神経的疲労に対する鍼治療アプローチ
〈問診・評価〉
「最近、ストレスが溜まりやすかったり、気持ちが落ち着かないことはありませんか?
眠りの質や食欲の変化なども気になりますか?」
患者の精神的ストレスの要因(仕事、人間関係、睡眠不足など)を確認し、自律神経のバランスや心身の緊張状態を評価します。
〈治療方針〉
「精神的な疲労やストレスは、交感神経が過剰に働いていることが多いため、副交感神経を優位にしてリラックスできる状態に導くことが大切です。
頭部や首肩、背中の緊張を緩和し、全身の巡りを整えていきます。」
〈施術〉
1. 自律神経調整・首・肩・背中の緊張緩和
• 特に頭部や後頭下筋群への刺鍼で、過剰な交感神経の興奮を鎮める。
• 長時間のストレスや神経疲労は、僧帽筋や肩甲挙筋、脊柱起立筋の過緊張を引き起こすことが多いため、トリガーポイント鍼で筋緊張をほぐす。
• 場合によっては古典的な経穴などを用いて、気血の巡りを改善。
病的な疲労に対する鍼治療アプローチ
〈問診・評価〉
「疲れが取れにくいと感じるのはいつ頃からですか? 休んでも改善しにくい、異常な倦怠感がある、発熱や体重減少を伴うことはありませんか?」
病的な疲労の可能性を考え、以下の レッドフラグ(危険信号) をチェックします。
レッドフラグ(要医療機関受診)
• 極度の倦怠感(何をしても疲れが取れない、日常生活が困難)
• 急激な体重減少(意図せず短期間で5%以上減少)
• 長引く微熱や発熱(感染症や悪性疾患の可能性)
• 息切れ・動悸・めまい(心疾患・貧血の可能性)
• 黄疸や皮膚の異常(肝疾患・自己免疫疾患の可能性)
• 精神的な異常疲労(うつ症状)(気分の落ち込み、興味の喪失)
→ これらに該当する場合は、鍼治療前に医療機関の受診を推奨することがあります。
〈鍼灸ができること〉
医療機関での診断のもと、大きな病変がない場合、または慢性的な病的疲労(例:慢性疲労症候群、線維筋痛症、自律神経失調症など)に対し、当院では以下のアプローチが可能です。
1. 自律神経の調整
• 後頭筋群や頭胸半棘筋などのトリガーポイント鍼により、交感神経の過剰な興奮を抑える。
• 副交感神経を優位にし、疲労回復のスイッチを入れる。
2. 血流・エネルギー循環の改善
• 背部の筋肉のトリガーポイントアプローチは膈兪・肝兪・腎兪・脾兪 など主要なツボへのアプローチにもなり血流や代謝を促す。
3. 睡眠の質向上
• 交感神経が過剰に働いているので、背部や後頭部の緊張を緩和。
4. 筋緊張・慢性痛の緩和
• 疲労による筋肉の硬直には、トリガーポイント へのアプローチを行い、疼痛抑制を促す。
• 特に頚部・肩甲骨周囲・以外の緊張が強い場合、局所の治療を組み合わせる。
現代社会は、肉体的な負担が減る一方で、脳の負担が増加しているため、末梢性疲労よりも中枢性疲労が多いと考えられます。
これにより、集中力の低下、気力の喪失、ストレス関連疾患の増加などが問題になっています。
トリガーポイント鍼治療はストレス緩和、自律神経の調整、リンパ球の増加など疲労に対してのアプローチとしては最強だと考えております。
中枢性疲労と末梢性疲労についてはまた詳しく説明しますね。
疲労溜まっていませんか?
是非ご相談くださいませ🙇♂️
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