今日は、ちょっとマニアックだけど臨床では外せない筋肉、「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」について深掘りしてみたいと思います。
一部では「必要のない筋肉」なんて言われることもあるこの筋。でも実は、現代人の不定愁訴や自律神経の乱れに深く関わる超重要な筋肉なんです。
胸鎖乳突筋ってどんな筋肉?
まずはおさらいから。
- 場所:首の側面、耳の後ろから鎖骨と胸骨に向かって斜めに走る筋肉
- 働き:
- 首を回す(左右に)
- 頭を前に倒す
- 呼吸が苦しいときに胸郭を引き上げる補助呼吸筋
デスクワークやスマホの普及で、この筋肉が常に緊張している人が本当に多い!
「悪さをする筋肉」ってホント?
確かに臨床では、この筋肉が原因で起こる症状が多すぎるんです。たとえば…
- 頭痛(特に側頭部や頭頂部)
- 目の奥の痛み、眼精疲労
- 耳鳴り、耳のこもり感
- 喉のつまり感
- めまい、ふわふわ感
実際に、胸鎖乳突筋に鍼や手技を入れると「そこそこ!」「喉に響く!」といった認知覚(痛みの再現)がよく出ます。
実はスゴい!胸鎖乳突筋のマニアックな役割
1.
感情と姿勢のハイブリッド筋
この筋肉、なんと**「副神経+頸神経」の二重支配**を受けている珍しい筋肉。
二重支配とは?
- 副神経(第11脳神経):脳から出て顔や喉の筋肉と連携し、感情表現や発声、呼吸の補助に関わる。
- 頸神経叢(C2〜C4):脊髄から出て、体幹や四肢の運動・姿勢制御に関わる。
つまりこの2つの神経に支配されるということは、「感情」と「姿勢」の両方にまたがる機能を担っている証拠なのです。
2.
横隔膜とのつながり
深い呼吸ができない人、息が浅い人は、胸鎖乳突筋がカチカチのことが多い!
この筋肉を緩めると「呼吸が楽になった」と驚かれることもしばしば。
まとめ:胸鎖乳突筋は現代人の不調のカギ!
「喉が詰まる」「めまいが取れない」「眼精疲労がひどい」
そんな症状でお困りの方には、胸鎖乳突筋へのアプローチが有効です。
感情・呼吸・姿勢・神経をつなぐ交差点として重要な筋肉だと思います。
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当院では、胸鎖乳突筋を含めた全身のトータルバランスを整える施術を行っています。
お気軽にご相談ください。
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