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2025/04/07

副交感神経と言えば迷走神経だ!

迷走神経は脳神経の中で唯一、内臓まで分布する副交感神経であり、全副交感線維の75%を担っていると言われます。

【1. 迷走神経とは?】

  • 脳神経10番(第X脳神経)
  • 名前の「迷走」は、さまようように全身に分布するから。
  • 副交感神経の約75%を担う、自律神経の王様
  • 延髄から出発し、首→胸→横隔膜を超えて腹部臓器まで広く支配

【2. 迷走神経の走行:ざっくり構造】

延髄

頸部(内頸静脈・頸動脈の間を下降)

胸腔内(心臓・肺)

食道(食道神経叢を形成)

横隔膜を貫いて腹腔へ

胃、小腸、肝臓、膵臓、腎臓、大腸の一部まで分布

※特徴

  • 右と左の迷走神経は途中で若干違うルートをとりますが、基本的に胸腹部臓器へ副交感支配をする神経。
  • 鍼灸的には、頚部(メイン)・胸腹部への刺激でアクセス可能。

【3. 迷走神経の“情報の流れ”】

これは意外かもしれませんが

迷走神経の約80〜90%は求心性=「体から脳へ」情報を送っている!

つまり、「脳が腸をコントロールしている」だけじゃなく、

腸(内臓)の状態が脳の感情や思考に影響している

これがまさに「腸脳相関」です。


【4. 腸脳相関とは?】

一言で言うと:

腸は第二の脳であり、脳と密接に連携している。

双方向のルートがある:

  • 脳 → 腸:
    – ストレスで胃腸が痛くなる(交感神経興奮)
    – 緊張するとお腹がゆるくなる
  • 腸 → 脳:
    – 腸内環境が悪いと気分が沈む
    – 発酵食品や食事が心に影響する

主要な経路

  1. 神経経路(迷走神経)
  2. ホルモン・サイトカイン経路(腸管ホルモン、免疫)
  3. 腸内細菌経路(腸内フローラが神経伝達物質に影響)

※頚部のトリガーポイントを処理することは、自律神経を整えること。

副交感神経が優位となり、迷走神経が正常に働けば、その影響は腸へ、さらには脳へと波及していきます。

鍼治療の可能性は——永遠の海です。
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